きっと変わる

 

 聞いておくれよ、きっと僕は変わるんだ。

 

何の気なしに夜の海に訪れて、

 

少し遠くの公園までサイクリングして、

 

ちょっと高いレストランで食事をして、

 

僕は変わるんだ。

 

何にもないような人生だったけれど、

 

僕には色が無いだけだったんだ。

 

色を垂らしてみたいんだ。

 

そうすれば僕は、今までと違う、少しだけ背の高い僕になれるんだ。

 

駅から離れた、古びた喫茶店

木陰のテラスに腰掛ける、

 

あの子に今日は話しかけるんだ。

 

きっと何かが起こるぞ、僕は変わるんだ。

 

だって、今の僕は

 

透明じゃない、真っ白なんだから。