怠け者

 

冬に色づきかけの秋。

 

寒波の間隙を縫って、ひょいと顔を出すぽかぽかした陽気がやけに心地良い。

 

路傍に転がる潰れた銀杏がつんとしていて、それもまた秋の顔なんだと頷く午後三時。

 

なんとなく、どこか夢見心地のまま

なんの気なく川辺をとぼとぼ歩いている。

 

平日の昼間に、陽気に呆ける時間など誰にもない。

 

僕は怠惰という他ない。

 

なんとなく胸が苦しい、温かな気持ちで

まどろむ猫たちにバラードを唄う。

 

おいおい、そんな顔をしないでおくれ。

 

怠け者のバラードはまだまだ下手くそだけど、許しておくれよ。

 

今日はこんなに気持ちがいいのだから。

 

散り散りに走る猫たちを眺めて、息を少し吸い込む。

 

僕も仲間に入れておくれよ、まだもう少しここにいたいんだ。

 

またここにおいでよ、僕もなんとか、うまくやっているからさ。

 

擦れる枯葉の音が憩いを醸す、

 

ある日、午後の夢見心地。