探し物をしているのです。僕は。 裏紙に書き連ねた取り留めもない駄文がある日突然、ふわっと浮かんでどこかに飛んでいってしまった。 どうしたものかなあ、と辺りを見廻していると 燻した煙が漂っているのに気付いて、僕は暖簾をくぐったのです。 まだ陽も…
掠れている。 荒れた皮膚は吹きさらしのまま、布に擦れてひりひりと傷んでいる。 血に濡れたジーンズを脱ぎ捨て、硝煙に塗れたジャケットを水面に浮かべた。 ごとり、と一丁の拳銃が転がり落ちる。弾は入っていない。 少し湿気った紙巻を咥え、何とか火をつ…
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