違法建築
不眠に陥り、四十八日目の夜。
ぐしゃぐしゃに変わり果てた日記帳を後ろからめくり余白を探す。
殴り書いた昨日の言葉に、今日の懺悔を綴る。
もう僕を許して欲しい。
もう僕を正して欲しい。
もう僕を抱きしめて欲しい。
もう僕を、許さないで欲しい。
床にずり落ちた毛布を正しベッドに横たわる。
がらくたと、生活の残骸に溢れた部屋で、零れ落ちてしまいそうな僕の一つ一つを必死に繋ぎ止めている。
これが精一杯なんだ、五指の隙間からさらさらと
砂の様に消えていった僕だったものを捜しているんだ。
これ以上風に吹かれて消えないように、流した涙で固めているんだ。
僕の城は砂の城。
失くしたものを補うために、今日も集めて、固めて、壊している。
堆積した懺悔の粒が、希望と欺瞞の肉体を捜している。
僕は此処で待っている。
遠い月を眺めて、待っている。