師走の眠気

 

葉は落つ。

踏む土は、降りた霜がさくさくと砕ける音がする。

 

残酷に吹き散らす重たい風がトタンを揺らし、猛々しい犬が軒先の烏に吠える。

 

鈍色の空、屎尿で黄ばむ電柱、

撓(たわ)む電線、吸いさしのハイライト、

 

気の違った老人が街道をのたうち回るように、小石が跳ねる。

 

計らずも砂利を口に含んだ子供が、べっと吐き出し母らしきものに手を引かれる。

 

電気屋に並んだテレビには見た事のある女優が、

コンマ0.1秒の遅れをとって正列する。

 

冬。

立ち込めるは、死の香り。