2022-12-22 師走の眠気 葉は落つ。 踏む土は、降りた霜がさくさくと砕ける音がする。 残酷に吹き散らす重たい風がトタンを揺らし、猛々しい犬が軒先の烏に吠える。 鈍色の空、屎尿で黄ばむ電柱、 撓(たわ)む電線、吸いさしのハイライト、 気の違った老人が街道をのたうち回るように、小石が跳ねる。 計らずも砂利を口に含んだ子供が、べっと吐き出し母らしきものに手を引かれる。 電気屋に並んだテレビには見た事のある女優が、 コンマ0.1秒の遅れをとって正列する。 冬。 立ち込めるは、死の香り。