2020-09-01 世界で一番小さな歌 リビングの奥に隠れた四畳半 僕だけのステージ。 敷き詰められたステッカーが客席を睨む こいつは相棒のレス・ポール。 アンプには繋がない、 夢想のパフォーマンスが今始まるのだ。 熱狂するファン達が地平線の向こうまで並ぶ様は、さながらオスマンの大行進。 憧れのロック・スターさえ 涎を垂らして拳を振り上げるのさ。 錆びた弦を一度弾けば、 皆が一斉に踊り出すんだ。 世界が僕を待っている。僕が世界に逢いにゆく。 箱庭の世界の最果てで唄う、 夜空にかがやく一番星。