ストーカー
在る日の夜、酷い不快感に襲われた僕は
喘ぎ、悶えながら赤黒い液体と共にそれを産み落とした。
その所在は知れず、それが何なのかも今となっては理解しかねる。
その日からだろうか、僕は常に焦っているのだ。
鏡の中の自分とにらめっこしているかのような気持ち悪さが消えない。
何処にいるのかは分からないのに、すぐそこにいる様な気がする。
濡れた犬と、発酵したタンパク質が混ざり合うような、この世で最も不愉快な瘴気が立ち込めているのだ。
僕は苦しくて堪らない。
まるでそこにいるのだ、
一時も離れず、僕の後ろに。