トム

 

彼と話す時はいつも、あたたかい気持ちになる。

 

彼と出会う前の別の人は、とても心地よかったけれど、

 

その人は、救ってくれなかった。彼は私と同じだったから。

 

彼は救ってくれる。彼が救いとなってくれる。

 

あたたかくしてくれる。理解してくれる。

 

でも、彼はいつも傍にはいてくれない。

 

私は大きくて分厚い硝子の奥で唄う彼を、

 

決して見失わないよう、いつも眺めている。