voice

 

僕がまだ十四の頃、

 

嫌々作らされた工作のラジオ。

 

あの頃は何も分からなかったけど、今の僕は分かり過ぎているよ。

 

何も見えなくても、何もかも見え透いてしまうのに、未だに理解出来ていない。

 

グルーガンの先端と、はんだで溶けた鉄と、君の匂い。

 

引き出しの奥に忘れ去られ、埃被ったラジオ。

 

新しい音楽が見つかるかな。

 

世界中の声が聞こえるかな。

 

君の声が聞こえるかな。

 

あの時作った、工作のラジオ。

 

 

君とふたりで作ったラジオ。