月の裏

 

僕の夢は、いつだってないものねだり。

 

明くる日も、また明くる日も

恋に焦がれ、君を想う。

 

求めているだけなんだ。

そんな弱さが、十一月の肌寒さに重なって

 

僕は歯を食いしばる。

 

君の半分だっていい、

僕は、僕の全てをあげたいんだ。

 

追いつけないから、つい先を急いでしまう。

 

いつだって気づいた時には

君は見えないところに行ってしまうから。

 

昔の人達がそうしたように、

 

僕はいつかロケットを作ってみせるよ。

 

席は一人分しかない、それで構わない。

 

きっと君に、辿り着いてみせるさ。

 

そうしたら僕は一番乗りさ。

 

真っ暗で、でこぼこで、それでもとっても綺麗だと思えるんだ。

 

僕が必ず、旗を立ててみせるよ。

 

風は、吹かないかもしれないけれどね。